シューベルト"歌曲集《冬の旅》D九一一、作品八九 2
この曲のように、これは厳密な意味では連編歌曲集ではないが、だからといって、このなかの有名な〈菩提樹〉〈溢れる涙〉〈春の夢〉、そして〈辻音楽師〉といった曲ばかりをバラバラに聴いたのでは、この歌曲集の真価はわからない。
やはり全部を通して聴いて、この歌曲集のすばらしさを味わってほしいものである。
また、この《冬の旅》は、《美しき水車屋の娘》を作曲してから、わずか四年しかたっていないが、原詩の持つ複雑で心理的な変化を、より忠実に、また、適切に描こうとしている。
それに、伴奏部も一段と巧妙になっていることも忘れてはならないたいせつなことである。